2011年10月11日火曜日

平成18_電力_保護協調

[問 6]
 図のように、 66 [kV] 送電線路の中間及び末端に需要家が接続された系統がある. このうち A 需要家の受変電設備における地絡保護について、 次の問に答えよ. ただし、 A 需要家及び B需要家には発電設備がないものとする.
(1)  A 需要家の地絡検出方式として、 変流器 (CT) の残留回路を利用する場合、 CT の選定に当たって留意すべき点を二つ挙げよ. 
(2) 図に示す A 需要家の箇所で 1 線地絡事故が発生した場合、 供給変電所送電端の地絡過電流リレーの整定値を一次換算電流 30 [A]、 地絡検出から送電用遮断器 CB1 遮断までの時間を 1.0 秒とした場合の A 需要家の地絡過電流リレーの整定タップ値及び動作時限を求めよ. ただし、 次の条件によることとする.
           供給変電所の遮断器 CB1 の遮断時間 : 0.1秒
   A 需要家の遮断器 CB3 の遮断時間 : 0.1秒
   A 需要家の CT の変流比 : 100/5 [A]
           完全地絡電流 : 100 [A]
           地絡検出動作電流値 : 完全地絡電流の 30 [%]
     リレー動作を確実にするための係数 : 1.5
     供給変電所の遮断器 CB1 のシリーストリップ回避のための余裕時間 : 0.3 秒
   A 需要家の地絡過電流リレーのタップ値 : 0.5 [A]、 0.7 [A]、 1.0 [A]、 1.4 [A]、 及び 2.0 [A]

[解答]
(1)  ①CTの特性を同じにする。そうしないと地絡がない正常なときでも残留電流が流れて誤作動をまねく。
    ②CTの変流比が大きい場合、三次巻線付CTを検討する。CTの変流比が大きいと残留電流が小さく誤不作動の原因になるから。
参考図
2) 整定タップ値: 1.0 [A]
    A需要家の地絡検出動作電流は
    100 [A] x 30 [%] x (1/1.5[係数]) = 20 [A]
                そして、変流比を考えると
       20 [A] x (5/100) = 1 [A]
           動作時限: 0.5 [秒]
    CB1遮断1.0秒より早くCB3を遮断すれば良い。
    1.0 ー (0.1 + 0.1 + 0.3) = 0.5 [秒]

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